賃金からの天引き、大丈夫ですか?「知らなかった」では済まされない労基法違反
「これくらいなら大丈夫だろう」「今まで何も言われなかったから」――。そんな油断が、自社を「書類送検」という重大な事態に導くかもしれません。
最近、大阪の企業が、労働者の賃金から寮費などを違法に天引きしたとして、労働基準法違反の疑いで書類送検されるというニュースがありました。
なぜ、これが大きな問題となったのでしょうか。
違反のポイント:「労使協定」の欠如
今回のケースでは、会社は2人の労働者の賃金から、数ヶ月分の寮費や鍵交換代などを控除しました。
しかし、その際、控除に必要となる「書面による労使協定」を締結していませんでした。
労働基準法には「賃金の全額払いの原則」があります。つまり、会社が一方的に賃金から何かを差し引くことは原則禁止されています。
例外として、社宅費用などを天引きするには、労働者の過半数を代表する者(または労働組合)との間で書面による協定を結ぶ必要があります。
「知らなかった」は通用しない
この会社は、調べに対して「労使協定が必要だとは知らなかった」と供述したそうです。
しかし、たとえ賃金控除を行った実績がこれまで無かったとしても、法律違反である事実に変わりはありません。
労働基準監督署によると、違法な賃金控除での書類送検は珍しいものの、**「臨検時に違反が確認されるケースは多い」**とのことです。
あなたの会社は大丈夫?
社会保険料や税金(源泉所得税・住民税)といった法律で定められたもの以外で、従業員の給与から何かを天引きしていませんか?
* 社宅・寮費
* 積立金
* 親睦会費
* 会社への貸付金の返済
これらを控除する場合は、必ず適法な労使協定が締結されているか、今一度確認することが重要です。
ご心配な場合は社労士などの専門家にご相談されることをお勧めします。