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[注目記事]非上場株式について


事業承継や相続税対策を考える経営者の皆様にとって、非常に重大なニュースが報じられました。

日本経済新聞の報道(「非上場株の相続に課税、国税が「宝刀」 評価方法巡り例外適用が急増」)によると、国税庁が非上場株式の相続税評価に対し、これまでめったに使われなかった「例外規定」を適用するケースが急増しています。
これは、今まで「安全」だと思っていた自社株の相続税対策が、ある日突然、税務当局によって否認されるリスクが高まっていることを意味します。
1. 国税庁が抜いた「伝家の宝刀」とは?
その「宝刀」とは、通称「財産評価基本通達 総則6項」と呼ばれる規定です。
通常、非上場株式の評価額は、国税庁が定めた「財産評価基本通達」というルールブックに沿って計算されます。多くの経営者は、税理士と相談しながら、このルールの範囲内で株価を引き下げる対策(例えば、役員退職金の支給や不動産の購入などで会社の純資産を圧縮する)を行ってきました。
しかし、「総則6項」は、以下のような強力な例外規定です。
> 「この通達(ルールブック)の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。」
簡単に言えば、「ルール通りに計算した結果、その株価があまりにも実態(=本当の価値)と比べて安すぎる場合は、その計算ルールを無視し、国税庁が『適当』と判断する価額(多くの場合、より高額)で課税します」というものです。
あまりに強力で基準も曖昧なため、これまではめったに使われず「伝家の宝刀」と呼ばれていました。
2. なぜ今、国税庁は「宝刀」を抜いたのか?
この流れを決定づけたのが、2022年4月の最高裁判決です。
これは「タワマン節税」に関する裁判でしたが、最高裁は「通達の定める評価方法を画一的に適用することが、実質的な租税負担の公平に反するような事情がある場合」は、総則6項の適用は合法である、という判断を示しました。
この判決で「お墨付き」を得た国税庁は、不動産だけでなく、非上場株式の評価に対しても「宝刀」を振るうようになったのです。
最近では、通達通りの評価(類似業種比準価額)では1株数万円だったものが、国税庁から「総則6項」を適用され、純資産価額(会社の資産から負債を引いた価値)に基づき1株数十万円と評価され、納税者が敗訴した高裁事例も出ています。
3. 経営者が今すぐ確認すべきこと
このニュースが経営者に突きつける現実は、以下の2点です。
 * 過去の「常識」が通用しない時代の到来
   「通達に書いてある通りに計算しているのだから文句はないだろう」という、今までの常識が通用しなくなりました。「やりすぎた節税」と「合法的な節税」の境界線が、国税庁の判断一つで非常に曖昧になっています。
 * 「時価」との乖離がリスクになる
   国税庁が問題にするのは、「通達による評価額」と「実態の価値(時価)」の著しい乖離(かいり)です。自社の株価対策が、実態とかけ離れた低い株価を生み出していないか、常に警戒する必要があります。
まとめ
事業承継や相続は、一朝一夕にはいきません。長期的な計画が必要です。しかし、その計画の前提となっていた「非上場株式の評価ルール」が、国税庁の「宝刀」によって揺さぶられています。
「うちの会社は大丈夫だろうか?」と不安に思われた経営者の方は、この最新の税務動向に詳しい税理士などの専門家へ、現在の株価対策が「著しく不適当」と判断されるリスクがないか、一度相談されることを強くお勧めします。