【相続時精算課税制度ブログ:第1回】名前は難しいけどどんな制度?基本のキホン
「相続時精算課税制度(そうぞくじせいさんかぜいせいど)」
名前が長くて漢字ばかり、いかにも難しそうな税金の制度ですよね。
しかし、2024年(令和6年)からルールが改正され、**「親から子へ、生前に財産を渡しやすくする」**ための選択肢として、非常に注目されています。
この制度、一体どのようなものなのでしょうか?
全3回にわたり、この複雑そうな制度を分かりやすく紐解いていきます。第1回目は、まず「基本のキホン」です。
1. この制度は、一言でいうと何?
この制度を一言でいうと、
> 「親(や祖父母)からの生前贈与は『特別な枠』まで税金を優遇する代わりに、将来その親が亡くなった時(相続時)に、その贈与分もまとめて相続税として“精算”しますよ」
>
という制度です。
ポイントは、贈与した時に「贈与税」だけで完結させるのではなく、将来の「相続税」とセットで考える、という点です。
2. 「普通の贈与」と何が違うの?
この制度の最大の特徴は、**「2,500万円」**という非常に大きな非課税枠があることです。
私たちがよく知る「普通の贈与(暦年課税)」は、1人につき「年間110万円」までが非課税です。
これに対し、「相続時精算課税制度」は、贈与する人(親や祖父母)ごとに、累計で2,500万円までなら贈与税がかかりません。
3. 誰でも使えるの?(利用の条件)
この制度は、誰から誰への贈与でも使えるわけではありません。条件が決まっています。
* あげる人(贈与者)
贈与した年の1月1日時点で60歳以上の親または祖父母
* もらう人(受贈者)
贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上の子または孫
つまり、「高齢の世代から若い世代へ、財産を早めに移転すること」を目的とした制度であることが分かります。
4. 最大の注意点:「暦年課税」に戻れない
この制度を利用する上で、最も重要なルールがあります。
それは、**「一度この制度を選ぶと、その特定の親(または祖父母)からの贈与については、もう二度と“年間110万円”の暦年課税には戻れない」**という点です。
例えば、**「父」**からの贈与についてこの制度を選択した場合、
* 今後、父からもらう贈与は、すべてこの制度(相続時精算課税)のルールで計算されます。
* 父から「年間110万円」の枠を使うことは、もうできません。
* (※ただし、**「母」**からは暦年課税のまま、という使い分けは可能です)
次回予告
第1回は、制度の基本的な仕組みと、2,500万円の大きな枠について解説しました。
しかし、「2,500万円も非課税になるなら、みんな使った方が得じゃないの?」と思いますよね。
実はそう単純ではありません。
第2回では、2024年の改正で何が変わり、どう使いやすくなったのか?そして、この制度の「デメリット」と「精算」の本当の意味について、詳しく解説していきます。